1-3. 敷地条件整理
敷地図をトレースして、敷地状況から読み取れる条件や制限を整理する。
一発アウトのおそれがある延焼ラインや斜線制限を、正しく読み取ることが重要。
目標時間:5分(試験開始後 25分)
使用する製図道具
- 製図用シャーペン
- 消しゴム
- ヘキサスケール
- フリクション(赤、青、緑)
- 1-3-1. 敷地図のトレース
- 1-3-2. 延焼ライン
- 1-3-3. 道路斜線2Aエリア外
- 1-3-4. 車両進入禁止エリア
1-3-1. 敷地図のトレース
問題用紙の敷地図から下書用紙に、次の項目を1/400でトレースする。
- 敷地の形状
- 敷地境界線の辺長
- 道路幅員
- 歩道
- 方位
- 特徴的な周辺条件
道路境界線は少し長めに引いて、一目で隣地境界線と区別できるようにしておきましょう。
令和2年度以降は「歩道の切り開き位置」を図示するように求められているので、歩道も書き写しておきます。
平成19年度以前には、敷地に対して北の方角が振れていたことがあるので、方位も必ずチェックしてください。
すべての周辺条件をトレースしている時間はないので、エスキスに影響しそうな特徴的な周辺条件をピックアップします。
1-3-2. 延焼ライン
隣地種別と道路幅員を確認して、1階および2階以上の階における延焼ラインを書き込む。(上記画像の赤ライン)
隣地境界線および道路中心線から、1階にあっては3m、2階以上にあっては5mの距離までが延焼のおそれのある部分になります。
延焼ラインの書き忘れが「法令の重大な不適合等」と見なされると、一発アウトの可能性があるので注意してください。
同一敷地内の2以上の建築物相互の外壁間の中心線からも延焼のおそれのある部分は生じますが、一級建築士の設計製図試験では想定されない条件と言えます。
1-3-3. 道路斜線2Aエリア外
敷地の二方向以上が接道している場合に、道路斜線の緩和から外れる範囲を書き込む。(上記画像の青ライン)
道路の交点から広い道路の幅員Aの2倍かつ35m以降で、せまい道路の幅員Bの道路中心線から10m以内の範囲は、せまいほうの幅員Bで道路斜線を検討しなければいけません。
道路斜線に適合していない建築物となると「法令の重大な不適合等」と見なされ、ランクⅣ(不合格)になる可能性が高いので注意してください。
1-3-4. 車両進入禁止エリア
車両進入禁止エリアを書き込む。(上記画像の緑ライン)
交差点や横断歩道の側端から5mの範囲に、駐車場の出入り口を設けることは禁じられています。(駐車場法施行令第7条→道路交通法第44条)
一級建築士の設計製図試験で問われる内容ではないかもしれませんが、例年の標準解答例では、交差点や横断歩道の側端から5mの範囲に駐車場の出入り口は設けられていません。
設計条件の整理
建物構成の検討
プランニング