令和2年度の一級建築士試験の設計製図試験に合格して免許申請を行ったので、申請手続きのポイントをまとめておきます。
設計製図試験の合格年度が令和元年以前か令和2年以降で、必要書類や申請手数料が変わります。この記事では、令和2年以降合格のパターンでまとめているのでご注意ください。
まずは免許申請の流れや準備するものを簡単に説明して、そのあとに申請手続きのポイントをお伝えします。
免許申請の流れ
- STEP.1申請書類の書式を手に入れる
公益社団法人 日本建築士会連合会のホームページからダウンロードする。
または、都道府県の建築士会の窓口で受け取る。 - STEP.2書類の作成・発行手続き
登録申請区分によって必要な書類を整理する。
自分で作成できるものと役所等で発行手続きをするものがある。 - STEP.3支払い
登録免許税と申請手数料を支払う。
国税を収納できる金融機関であれば、どこの銀行や郵便局でもまとめて支払うことができる。 - STEP.4証明写真の撮影
6ヶ月以内に撮影した縦45mm×横35mmの証明写真を用意する。
交付される携帯型免許証明書の顔写真になる。 - STEP.5申請手続き
都道府県の建築士会の窓口に提出する。
東京都の場合のみ電子申請が可能。(記事執筆時 2021年3月)
準備するもの
必要書類や注意事項については、日本建築士会連合会のホームページを必ず確認してください。
書式が決まっている書類
一級建築士免許申請書 | 登録免許税納付書の領収証書、申請手数料の 払込受付証明書、証明写真の3点を貼り付け |
一級建築士住所等の届出書 | 証明写真を貼り付け |
実務経歴書 | 複数の勤務先で実務経歴がある場合、 勤務先毎に作成する必要がある |
実務経歴証明書 | 所定書式を印刷してから、勤務先に記入を依頼する |
役所・学校・勤務先で発行や記入をしてもらう書類
住民票の写し | 役所で発行してもらう ※マイナンバーカードがあれば、コンビニで発行可能 |
学歴・資格等に関する書類(該当者のみ) | 指定科目修得単位証明書・卒業証明書を 学校(母校)で発行してもらう |
実務経歴証明書 | 勤務先で記入してもらう ※複数の勤務先で実務経歴がある場合、 勤務先毎に記入してもらう必要がある |
コピーする書類
合格通知書(製図の合格通知書)のコピー | ー |
学歴・資格等に関する書類(該当者のみ) | 二級建築士または建築設備士の証明書のコピー |
本人確認ができる公的な身分証明書のコピー | 身分証明書の種類によって1点もしくは2点 |
支払いをすることで手に入れる書類
登録免許税納付書の領収証書 | 金融機関で60,000円を支払うことでもらえる |
申請手数料の払込受付証明書 | 金融機関で28,400円(令和2年以降合格者)を支払うことでもらえる |
証明写真(2枚) | 証明写真機などで500〜1,000円程度で撮影できる |
提出が必須ではない書類
旧姓併記の確認書類 | 希望者のみ |
管理建築士講習修了証のコピー | 希望者のみ |
管理建築士講習修了証の原本とコピー | 希望者のみ |
建築士免許登録申請における実務経歴の全部又は一部が 令和元年以前受験時の実務経歴と同一である旨の申告書 | 任意(令和元年以前の試験を受験された方が対象) |
申請手続きのポイント
免許申請の各手順について、実際の経験を踏まえたうえで、申請手続きのポイントをお伝えします。
申請書類の書式を入手する
申請書類は製図の合格通知書にも記載されていますが、日本建築士会連合会のホームページを見たほうが分かりやすいです。
書式をダウンロードする場合、登録免許税の納付書や申請手数料の払込取扱票は、銀行や郵便局に備え付けのものを使います。
都道府県の建築士会の窓口で受け取る場合、納付書と払込取扱票も手に入るので、生活圏内にあるなら窓口まで受け取りに行ってもいいでしょう。
書類の作成・発行手続き
必要な書類は合格年度や登録申請区分によって異なります。
自分一人では完了しない書類も含まれているので、順序よく書類をそろえていきましょう。
記入例や注意事項などは、日本建築士会連合会のホームページを必ず確認してください。
- 手順1一級建築士免許申請書
登録申請区分を確認するために、最初に作成します。
証明写真と領収証書・払込受付証明書の貼り付け以外は、この段階で済ませることができます。 - 手順2実務経歴書
実務経歴証明書実務経歴書に書いたものと同じ内容を実務経歴証明書の下段に記入する必要があるので、実務経歴書を先にまとめておきます。
実務経験の年数が現職の勤務先だけでは不足する場合、前職の勤務先にも依頼しなければならないので、早い段階で手配しておきましょう。 - 手順3学歴・資格等に関する書類(該当者のみ)
指定科目修得単位証明書や卒業証明書を発行してもらう必要がある場合は、学校(母校)が指定する方法で依頼をしておきましょう。
- 手順4住民票の写し
旧姓併記の確認書類(希望者のみ)役所で発行してもらう必要があるので、平日に行けるように段取りしなければいけません。(役所によっては郵送で依頼・受取ができますが、プラスαの準備が必要になります。)
対応している行政に限りますが、マイナンバーカードを持っている場合はコンビニでも発行できます。 - 手順5証明写真
携帯型の免許証明書に載る顔写真を気にする方は、美容院や理髪店に行くタイミングを考えるかもしれません。
撮影する日程が自身のコンディションに左右される可能性があるので、余裕を持っておくのがおすすめです。 - 手順6コピーする書類
- 合格通知書(製図の合格通知書)のコピー
- 学歴・資格等に関する書類(該当者のみ)
- 本人確認ができる公的な身分証明書のコピー
- 管理建築士講習修了証の原本とコピー(希望者のみ)
上記の書類がすぐに見つからないことも考えられます。あわてて探さなくてよいように、発掘しておきましょう。
- 手順7支払いをすることで手に入れる書類
登録免許税と申請手数料の支払いをして、領収証書・払込受付証明書を手に入れます。
提出前にコピーを取っておくことをおすすめします。 - 手順8一級建築士住所等の届出書
一級建築士免許申請書で記入した内容とほとんど重複しているので、すぐに作成できるはずです。
- 手順9建築士免許登録申請における実務経歴の全部又は一部が令和元年以前受験時の実務経歴と同一である旨の申告書(任意)
令和元年以前の試験を受験された方が対象で、提出は任意です。
令和元年以前の受験申込みの内容がわかり、書類作成の余力がある方は作成してみてはいかがでしょう。
支払い
銀行もしくは郵便局で、登録免許税と申請手数料を支払います。
どちらも原本を申請書に貼り付ける必要があるので、返却される領収書はなくさないように注意してください。
また、提出すると手元に支払いをした記録がなくなってしまうので、念のためにコピーを取っておくのがおすすめです。
登録免許税は、「国税 収納金・整理 資金 納付書」という名前の書類を使って支払います。納付書の上部中央には「領収済通知書」と書かれています。
- 年度:2ケタの数字で記入する(例)令和2年度→「02」
- 項目番号:登録免許税を表す「221」を記入する
- 税務署名:「麹町(コウジマチ)」と記入する
- 税務署番号:麹町税務署を表す「00031017」を記入する
- 税目:「登録免許(トウロクメンキョ)」と記入する
- 本税・合計額:「60,000」と記入する(¥マークは必要に応じて)
- 住所・氏名:申請者の住所・氏名を記入する
納付書の書き方については、日本建築士会連合会の「登録免許税について」のページを必ず確認してください。
申請手数料は、「払込取扱票」という名前の書類を使って支払います。3連式と2連式がありますが、どちらのタイプでも支払い可能です。
- 口座記号番号:「00130-9-707468」と記入する
- 金額:「28,400」と記入する(令和2年以降合格者の場合)
- 加入者名:「公益社団法人 日本建築士会連合会」と記入する
- ご依頼人:申請者の住所・氏名を記入する
払込取扱票(払込用紙)の書き方については、日本建築士会連合会の「申請手数料について」のページを必ず確認してください。
証明写真の撮影
免許申請で提出する証明写真は、携帯型の免許証明書に載る顔写真のもとになります。
申請料を支払って書換え交付申請を行うと顔写真は変えることはできますが、よほどの事情がなければ手続きをすることはないでしょう。
お客様に提示するシチュエーションも考えられるので、ビシッとした格好で映っている証明写真にしておくのがよいと思います。
撮影の注意事項は、日本建築士会連合会の「証明写真について」のページを確認してくささい。
申請手続き
現住所(住民票のある住所)の都道府県の建築士会に、申請書類を提出します。
- 申請受付期間:随時
- 標準処理期間:3ヶ月程度
- 代理人申請・受理:可能(詳しくはコチラ)
令和2年度は申請受付・免許証交付を郵送で行うことができましたが、これからは郵送で手続きができるようになるかもしれません。
窓口で提出する場合は、提出先の建築士会の受付日時等を確認しておきましょう。(都道府県建築士会所在地一覧)
東京都に住民票がある場合は、電子申請もできるようです。
利用する方は、東京建築士会の「一級建築登録電子申請フォーム」のページを確認してください。