日本の住宅事情

学習の内容
  • 日本の住宅形式
  • 日本の住宅政策

日本の住宅形式

現在の日本の住宅形式は、大きく3つの型に分類される。実際には、それらの折衷型の例も多く存在する。

近代化型(都市LDK型)

他の部屋を通らずに、廊下によって各室にアクセスすることができる形式。洋室仕様のリビングとダイニングがあり、玄関に近い位置に和室や応接間が設けられることもある。基本的に、2階は廊下と個室で構成され、1階のLDK部分と明確に分離される。

伝統型(地方続き間型)

日本家屋によく見られる形式。二間続きの和室があり、一方は床の間のある座敷であることが多い。その他、1階には台所と食堂があり、2階はたいていが子供室として使われる。外観は総じて和風で、入母屋造りの屋根や大きな玄関が特徴的。

集合住宅型

高層化や住戸数確保のために、間口が狭められた集合住宅に共通する形式。敷地と配置計画によるが、一般的には、南側にリビング・ダイニングのスペースと続き間になる部屋、中央にキッチンや浴室、便所などの水まわり、北側に分割された個室が配置される。

日本の住宅政策

住生活基本計画

平成18年に「住宅建設計画法」に替わり「住生活基本法」が制定され、住宅の「量」の確保を図る制作から、住生活の「質」の向上を図る政策へと転換している。

政府の定める全国計画と、都道府県の定める都道府県計画がある。全国計画では、国民の住生活の安定の確保及び向上の促進に関する目標及び水準として、次の4つを掲げている。

  • 住宅性能水準
  • 居住環境水準
  • 誘導居住面積水準
  • 最低居住面積水準

長期優良住宅制度

長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた住宅の普及を促進するための制度。環境負荷の低減を図りつつ、良質な住宅ストックを将来世代に継承することを目的としている。

長期優良住宅として認定されるためには、次のような認定基準がある。

  • 長期にわたり使用するための構造及び設備(劣化対策、耐震性、省エネ性、維持管理・更新の容易性 等)
  • 居住環境等への配慮(地区計画、景観計画 等)
  • 住戸面積
  • 維持保全の期間・方法

認定後には、計画に基づいたメンテナンスを行うことや、その状況に関する記録の作成や保存が義務付けられている。

住宅性能表示制度

平成12年に施行された「住宅の品質確保の促進に関する法律」に基づき、住宅の性能に関する表示の適正化を図ることを目的として設けられた制度。次のような内容で構成される。

  • 日本住宅性能表示基準
  • 登録住宅性能評価機関
  • 住宅性能評価書

発足当初には新築住宅のみを対象としていたが、現在では新築・既存を問わず、すべての住宅が対象になっている。

学習のポイント

  • 代表的な日本の住宅形式の特徴を覚える
  • 日本の住宅政策の概要を覚える

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